進行役 谷内秀夫氏
初めに、用意した「開国から昭和が始まるまで」(写真)をもとに解説。
1853年ペリーが4隻の黒船で浦賀に来航、翌54年おどしに屈した徳川幕府が「日米和親条約」を結んで下田・箱館を開港(英・露・蘭とも同様の条約) さらに1858年、大老井伊直弼が「日米修好通商条約」を結び、箱館・新潟・神奈川・兵庫・長崎の5港を開港。(英・蘭・仏・露とも同様の条約) これが「治外法権・関税自主権のない不平等条約」だったことから、開国に反対する学者や大名たちを処罰(安政の大獄)。
1860年3月「桜田門外の変」で井伊が殺害され、いっきに尊王攘夷運動が活発化。1863年の「薩英戦争」「下関戦争」で外国との戦力差をさとった薩摩藩と長州藩が、坂本龍馬の仲立ちにより66年に秘密同盟「薩長同盟」を結んで討幕を決断。67年に15代将軍慶喜の「大政奉還」を経て、「明治維新」となり版籍奉還・廃藩置県を実施して、「中央集権国家」をつくりあげます。
欧米視察・留学・「お雇い外国人」の採用など、背伸びをしながらも積極的に欧米から学んだ知識をもとに、短期間に近代国家建設に成功すると、1894・95年の「日清戦争」に勝利し、清の持っていた朝鮮権益を日本のものにし、「台湾の割譲」や、遼東半島への進出するきっかけを作り、1904・05年の「日露戦争」の勝利により、旅順・大連の入手、南満州鉄道(満鉄)・安奉鉄道の経営権・両鉄道を守るための軍隊駐留権などのほか、南樺太を入手しました。
1907年に日本による「満州の経営」が開始され、1910年には「韓国併合」、1915年にはヨーロッパ列強が「第一次世界大戦」に参戦しているすきに、「対華21か条の要求」を、まだ弱体の「中華民国」につきつけて、ドイツが山東省に持っていた権益や南洋諸島に持っていた権益を引き継ぎました。急に威張りだした日本に対し、中国や韓国民衆の反感が大きくなり、1919年には五・四運動(中国)・三・一独立運動(韓国)がおこり、抗日運動が激化しだしたことで、その国権回復、反帝国主義闘争の矢面に立つことになりました。
アメリカも日本を警戒しはじめ、1922年には「ワシントン海軍軍縮条約」を開き、主力艦(戦艦・空母)の持つ比率を、英・米・日を5・5・3としたほか、「日英同盟」の破棄、日本の山東省権益の返還をせまりました。
そして、1923年の「関東大震災」の打撃に襲われて経済不況が続き、都市では労働争議、農村では小作争議が激化しました。また、1917年の世界初の社会主義革命「ロシア革命」の成功に、世界的な社会運動が発展するなかで、日本共産党や、労働農民党など無産政党が生まれるなど、社会の矛盾の深まりと対立の中で、昭和の時代がスタートしたのでした。
「NHKの映像をもとにしたDVDの視聴」
大正天皇崩御、「昭和」の改元、関東大震災、裕仁親王ご成婚、東京放送局ラジオ仮放送開始、金融恐慌始まる、田中義一内閣成立、第1次山東出兵、日本軍と国民政党軍が衝突(済南事件)、関東軍が張作霖を爆殺、初の普通選挙、日本共産党員の全国的大検挙、北丹後地震、モガ・モボ流行、上野~浅草間に初の地下鉄開通、芥川龍之介服毒自殺、岩波文庫発刊、映画「血煙高田馬場」公開、流行歌レコード発売、ラジオ体操放送開始、第9回オリンピック アムステルダム大会開催、天皇即位の大礼挙行など……約50分。
参加者全員に、視聴したDVDや資料が配布されました。
「参加者」(五十音順・敬称略)
- 岩崎学
- 植田康夫
- 郡山千里
- 小林宏之
- 酒井猛夫
- 酒井義夫
- 菅原勉
- 竹内光
- 反畑誠一
- 谷内秀夫
- 増田一也
- 山本明夫
なお、8月は「ソフィアンズクラブ」が休みのため、8月下旬に「懇親旅行と懇親会」を計画しましたが、参加希望者が催行人数に満たなかったため、延期することになりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿