2015年2月18日水曜日

第9回 「参火会」2月例会 (通算373回) 2015年2月17日(火) 実施

「昭和史研究の集い」第7回目「連合軍総反攻」昭和18年

進行役・谷内秀夫氏

「NHKの映像をもとにしたDVDの視聴」



(おもな内容)

ガナルカナル島撤退、ニューギニアで日本軍玉砕、山本五十六戦死、米軍アッツ島上陸、カサブランカ会談、ドイツ軍スターリングラードで大敗北、北アフリカ戦線終了、米軍レンドバ島上陸、コロンバンガラ島から日本軍撤退、ジャワ島の日本化、東条英樹「撃ちてし止まむ」演説、衣生活簡素化(男子国民服・筒袖-女子標準服・元禄袖)、男子の就業制限廃止・未婚女子動員、バケツリレー防火訓練、学徒出陣壮行会、ジャズなど演奏禁止、谷崎潤一郎「細雪」の連載中止、中野正剛自殺、上野動物園で供養会、日華共同宣言・日華協定調印、ビルマと同盟条約調印、自由インド仮政府樹立を宣言、大東亜会議、米軍ソロモン諸島ブーゲンビル島上陸、第1次カイロ会談、テヘラン会談……など。


「この時代の概要」

昭和17年8月初旬、アメリカ軍は反攻の第一歩として6万人を投入し、ソロモン諸島のガダルカナル島とツラギ島に上陸を開始した。この両島は、日本軍がハワイとオーストラリアの輸送路を絶つため、約3万人の日本兵を投入していたところだった。この攻防は、昭和18年1月末まで激しく行われたものの、日本軍は死者2万人(内15000人は餓死)の大敗北をきっし、2月初めに撤退した。

ガナルカナルの死闘がつづいている同時期、ヨーロッパの独ソ戦線では、スターリングラード(現ボルゴグラード)で攻防戦がおこなわれ、18年1月下旬にドイツが降伏したことにより、ヨーロッパ戦局の転換点になった。その後ドイツは、北アフリカ戦線でも後退をつづけた。

太平洋戦局も、攻守が完全に逆転。米軍はニミッツ率いる太平洋艦隊が中部太平洋の島づたいに攻勢をかけ、フィリピンからオーストラリアに撤退していたマッカーサー率いる西南太平洋軍は、ニューギニアの北岸づたいに前進をつづけた。制海・制空権を失った日本軍は、これに反撃することもできず、攻撃を受けた部隊は玉砕、受けなかった部隊は敵の背後に孤立していった。

18年5月には、カムチャッカに近いアリューシャン列島で、日本軍の占領下にあったアッツ・キスカ両島で米軍が奪取作戦を展開、アッツ守備軍は全滅した。11月にはギルバート諸島のマキン・タラワ両島に米軍2万5千が上陸し、日本守備隊は3日間で全滅する敗北を喫した。

9月に、3国同盟の一角だったイタリアが無条件降伏。11月には、米(ルーズベルト)英(チャーチル)中(蒋介石)がカイロで対日方針を協議する首脳会談を行い、「カイロ宣言」を発表。日本軍の占領する太平洋諸島のはく奪、満州・台湾を中国に返還、朝鮮を独立させる、日本の無条件降伏まで戦闘継続といった内容に署名した。


DVDの視聴後に、補足説明や話し合いがもたれました。さらに、メンバーの岩崎学氏から「イスラム国に殺された後藤健二氏のこと、フリーのジャーナリストの役割と問題点、大手のメディアが抱える問題、今回の政府対応、ネット上の反応などは、是非一度、議論のテーマにしていただきたい」という提案につき、みんなの意見を聞きました。

結論として、次回(3月17日例会)は「昭和史研究の集い」の番外として、イスラム国問題にしぼることなく、「イスラムを考える集い」とすること。問題が散漫にならないよう、初めに「基調」を山本明夫氏に話してもらい、進行役を岩崎学氏にお願いすることになりました。また、各自が多少の勉強して会に臨むことを確認しあいました。

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後半は、「鎌倉ユネスコ協会」の理事で、次回で100号となる会報『鎌倉ユネスコ』の編集長をされている鴇沢武彦氏に、そのご苦労話を伺いました。同協会は、故平山郁夫氏が初代会長となって1988年10月に設立され、13号から鴇沢氏が編集長を務め、重要人物へのインタビュー「ハーイこんにちは」、公開講座「ユネスコサロン」「わたしの町の絵画展」を開催し優秀作を会報にカラー掲載、などが人気だそうです。




鎌倉が「世界遺産」の候補になったものの、その後どうなったかをたずねたところ、次のような回答でした。

イコモスは、「武家に古都・鎌倉」の歴史・遺跡は認めたものの、武家政権を示す物証が不足として不記載を勧告されたが、これを覆すための作業をしており、再度登録申請の準備をしているとのことでした。


「参加者」(五十音順・敬称略)


  • 岩崎学
  • 植田康夫
  • 草ヶ谷陽司
  • 小林宏之
  • 近藤修平
  • 酒井義夫
  • 菅原勉
  • 谷内秀夫
  • 反畑誠一
  • 鴇澤武彦
  • 増田一也
  • 向井昌子
  • 山本明夫


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